ニラニスタ発・蹴球思案処

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必要とされる選手

必要とされる選手

 

チーム内でスタメンは11人。チームの勝利のために必要とされる選手である。選手なら誰でもそうありたいと思う。おそらく、必要とされる選手は「上手いだけの選手」ではない。サッカーがうまいだけの11人を選んで勝てるほどサッカーは甘くない。では、どのような選手がチームの勝利のために必要とされる選手なのだろうか。

 

まず思い浮かぶのは、監督の信頼を勝ち得ている選手である。ポジションごとに信頼度が高い順番でスタメンを選んでいると言っても良い。上手さが優先されることはない。

次に思い浮かぶのは、チームに良い影響を与える選手である。どんなに影響力があっても、良い方向へ導くことができなければ必要とされない。残念ながら、自らの未熟さゆえに、チーム内の雰囲気を(無意識に)、壊す選手もいる。組織(人間界)というものは、そういったものである。

 

そういった中で、自分が自分らしく、仲間に必要とされ、監督に信頼される選手にどうしたらなれるのか。まずサッカー選手である前に、1人の人間として成長しなければならない。成長は一朝一夕にできるものではない。日々の生活をコツコツと謙虚に積み重ねるしかない。おそらく試合に出場している選手はそういったタイプが多いのではないだろうか。「なんであいつが出ているんだ」と思う気持ちを抱く前に、自分に何が足りないのかを冷静に分析、検証する必要がある。

世界のサッカーを見ても、自分勝手な選手はどんなに上手くても出場機会は激減している。ボールを奪われた後に間髪おかず、必死になって守備をする一流選手を見ていると、そう感じる。

 

サッカーチームという組織の中では、選手と呼ばれるけれど、社会の組織の中では人材と呼ぶ。自らが必要とされるように、自らを磨き続けなければならない。サッカーで考えるならば、しっかりした結果を残せる選手である。大事な場面で決定的な仕事をする選手が、必要とされる選手である。FWならば点を獲る。MFならば、攻守にわたりチームに貢献する、DFならば、相手FWに点を獲らせない。できないことに気を取られずに、今できることを全力でやることである。そこから道が開けるのではないかと思う。