ニラニスタ発・蹴球思案処

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サッカーと勤勉

サッカーをするにあたって、「勤勉さ」は重要な資質の1つである。勤勉さは諸外国に比べ、日本らしさが際立つ資質でもある。堅実さや謙虚さと同様、勤勉さは日本人の持つ誇るべき気質でもある。

サッカーで言う勤勉とは、「たゆまずに一生懸命にサッカーを続けていく」ことである。勤勉努力は、今の時代はあまり歓迎されないかもしれない。なぜならば、その行為自体がすべて報われるとは限らないからだ。サッカーで言うならば、プロセスが良くても結果がついてこないなら、ダメだしされてしまう。

プロセスに重きをおくならば、勤勉努力は何事にもあきらめない心を育む。そして勤勉な者、努力した者が手に入れるものは、チャンスと信頼である。もしダメならまたチャレンジすればいいことだし、また成功(勝利)を手にすることができるのはほんの一握りの選手かチームでしかない。

サッカーにおいて勤勉さが発揮される場所は、うまくいかない時である。すべてがすべてうまくいくほど現実は甘くない。誰でも壁にぶつかり、悩み、いらだつ。そういった場面で、「考えること」「意識すること」で局面が打開できるかもしれない。そういった場面でのがんばり方を勤勉によって冷静に分析できる。ただがんばるのではなく、「何をがんばるのか」「いつがんばるのか」「どのようにがんばるのか」を考え、意識する。もちろん信頼し合える仲間もいる。

サッカーはミスのスポーツである。どのスポーツよりも強いものが勝つ可能性は低く、たった1本のシュートで勝ってしまうこともできる。そのように考えると、「勤勉さ」はサッカーにとって欠くことのできない資質であるような気がする。