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静岡学園 優勝おめでとうございます

静岡学園 優勝おめでとうございます 

 

第98回全国高校サッカー選手権決勝で青森山田を0-2からの逆転劇を演じ、24年ぶりの単独優勝を果たした静岡学園だった。

当日券が完売、静岡代表は5年連続の初戦敗退が続く中、決勝まで無失点で勝ち続けた静学だった。

 

優勝した後から夜にかけて、いろいろな方や仲間から「おめでとう」「すごかったな」という電話やメッセージがきた。0-2になった時は、正直3失点目を覚悟していた。まさか逆転劇を演じるとは想像もつかず、PKの2失点目で諦めてしまった自分がいたけれど、そして前半終了間際の1得点でも「いけるぞ」という自分はいなかったけれど、久しぶりに祈りながら見ていた。

 

前日に、藤枝順心が日本一になったので、男女で静岡になんとしても優勝旗を持って帰りたかった。青森山田が上だと認め、「潔く散れ」と選手を送り出し、前半終了間際のセットプレーで1点を返した。ハーフタイムのロッカールームの中で、どんな言葉をかけたのか、どんな話をしたのか、とても気になる。

 

ただただうれしいだけではあるけれど、高校サッカー選手権の築き上げてきた歴史とサッカー文化といえるその前に、青森山田は敗れた。決勝戦前までなんとしても(どんな汚い手を使っても)、正直言って、青森山田にだけは勝って欲しかった。確かに、Jユースも参加するプレミアU-18を制して事実上の日本一にはなった。でも、だが、しかしである。準々決勝、準決勝のゴールパフォーマンスは、高校の育成の現場では見せてはいけないパフォーマンスであった(と個人的には思う)。あの時点で、謙虚であり、崇高であり、神々しい高校3年間の集大成である選手権の頂点はなくなった(と言っていい)。ゴールしたら、真っ先に走っていく先は、ベンチかピッチに立てずスタンドで応援している仲間であろう。ゴールパフォーマンスはお金をもらっているプロになってからやれば・・・といった感想である。

 

一方の静学は、試合そのもの、1つ1つのプレーそのものが高校生であった。勝敗は細部に宿り、勝敗は魂に宿るプレーそのものだった。(贔屓目に見て)一生懸命さ、ひたむきさは青森山田のはるか上をいっていた。おそらく埼スタの観客は少しずつ、そして大きく静学のプレーに魅了されていったのではないか。

 

横山先生の影響で山梨の隠れ静学ファンになり、アンチ青森山田(アンチ青森山田が存在するほどすごい高校です)としては、これ以上ない劇的な勝利だった。

井田先生、川口監督、そしてオキタツさん、イタクラさん、全国制覇おめでとうございます。韮高も続きますよ。

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