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2019 ユースリーグを振り返る

2019 ユースリーグを振り返る

 

リーグ戦で修正できないことが、最終的に負けたら終わりの一発トーナメントにそのまま現れてしまった今年のチームだった。歴代最多失点となる40失点(昨年31失点)を打ち立てた。誰が見ても強いチームとは言い難く、堅守とは遠くかけ離れたチームに映った。学院の失点7と比較するには恥ずかしい数字で、年間を通じて失点に悩まされた。逆に点は取れていたので、そこさえ修正できていれば、全国に出ても勝ち進めるチームであったように思う。

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一番の問題は守備戦術である。選手個々をみると良い選手が揃っていたけれど、チームとしての守備を見た時には、個々の貢献は最小限で、力を合わせて大きなパワーとなることはなかった。GKやDFが悪かったのではなく、チームとして守備をする時の共通のイメージが乏しかったことと、システム上ボールを失った時、相手がボールを持っている時の、守備戦術が組織として機能しなかったように思える。

参考文献として『サッカーの新しい教科書』から引用すれば、サッカーにおける守備戦術とはと考えた場合、「戦術とは問題を解決する行為」であり、「ゲーム中に起こる状況を解決するための、個人、組織による知的活動」と定義することができる。

「戦術メモリー」という言葉がある。ピッチに立って、何も考えずにプレーするのではなく、「ピッチで何が起こっているのか」、「なぜそれが起こるのか」を戦術知識としてメモリーに残し、経験値を積み重ねていく。ミスの原因の1つに、「未経験の状況に置かれて慌ててしまう」ことがあるけれど、「このような状況ではこうなる」ということを知っていれば、決断の精度が高まり、様々な状況に適したプレーの選択ができるようになる。

そういった意味において、リーグ戦はトライアル&エラーができる場であった。よりサッカーを知っている選手になることができる場であったにもかかわらず、失点の多さは減るどころか増え続けた。失点0で終えた試合はわずか2試合(学院14試合)。改善されることもなくそのまま選手権に突入してしまった。

 

何をチームコンセプトとして掲げ、プレーモデルを構築していくのかを来年は楽しみにして試合を見たい。