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『コーチがいない君ための サッカー・ベスト・コーチ』

3月サッカー本

 

『コーチがいない君ための サッカー・ベスト・コーチ』

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著 者 アラン・ウェイド
訳 者 岡野俊一郎
発行所 ベースボール・マガジン社
1973年8月15日発行
 
僕が持っているサッカー本の中で一番古い本である。今は亡き日本サッカーの重鎮、岡野俊一郎の訳本である。今から46年前に訳された本で、タイトルを見ると分かるように、「コーチがいない君のための・・・」とあり、日本でサッカーが普及し始めるころに出版された。まだコーチの数が不足していた時代である。
 
改めてページをめくると、トレーニングメニュー(練習方法)は昔からそれほど変わっていない。70年代初頭に「現代のサッカー」は、と綴られる文章は、今現在のサッカーと基本的に変わっていない。変わっているとすれば、フォーメーションやサッカー用語である。
 
イングランド・サッカー協会の技術担当理事である著者、アラン・ウェイド氏は「今日ほど“thinking player”を必要とする時代はかつてなかった」という。“thinkingplayer”とは文字通り、“サッカーを考え、深い洞察のもとに、立派な判断力を発揮できる選手”のことである。
 
あとがきで書かれている通り、すでにこの時代から「考える」ことは、サッカーをする上で重要なファクターとなっている。時代性を感じながら、時代性を感じさせない文章を読むことができる本である。
 
脱線するけれど、岡野俊一郎出版した本の中で1番高値がついている本は『サッカーのすすめ』である。1968年出版で、現在は33800円で売られている。